10日間の瞑想合宿に行ってきました

10日間のヴィパッサナー瞑想合宿に行ってきました。
ヴィパッサナーというのは「客観的に観察する」ぐらいの意味です。
何を客観的に観察するかっていうと自分の呼吸と身体の感覚です。

 

具体的な瞑想法は適切な指導者しか教えちゃいけないっぽいので割愛しますが、意外にもすごく実践的で具体的な指導でした。

 

ちなみに、そもそも何のために呼吸と身体感覚を観察するのかをざっくり説明すると、

  1. 人間はあらゆる物事に「渇望」や「嫌悪」(あるいはどちらでもないもの)といった反応をしてしまう(この反応を「サンカーラ」と呼んでいました)。反応をし続けてしまう限りサンカーラは絶えず増え続けてしまうのだと。
  2. そしてサンカーラは身体に2つの形で現れる。1つは呼吸の変化という分かりやすい形で。もう1つは生化学的な、極めて微妙な反応として。
  3. しかし、万物は無常。そのような感覚は現れるものの必ず消えていく(そのことは「アニッチャ」と呼んでいました)。
  4. このアニッチャを理解した上で、あらゆる感覚に対して反応せず(渇望や嫌悪を抱くような評価をせずに)「平静に観察する」ことができるようになれば、サンカーラも増えなくなる
  5. ということで、呼吸と身体感覚を平静に観察する訓練をすることによって、渇望や嫌悪に振り回されないようにしよう。また、サンカーラを増えなくして、最終的には解脱を目指そう

という流れです。めっちゃ仏教ですね。とはいえ特定の宗教を信じる必要はありませんし、仏教徒以外の人も広く受け入れられています。結局のところ、瞑想法という実践をひたすら広めている場所なわけですから、洗脳のようなものはありません。

 

最初はしんどかった

1日あたり10時間程度の瞑想の時間があり、空き時間も本を読んだり携帯を見たりしてはいけない。人と喋ってすらいけないという強い制約の下で行われます。瞑想中「1時間体勢を変えてはいけない」という時間もあり本当に「修行」という感じでした。

 

一日目や二日目は正直「帰りたい……」ってなりました。しかし、終わってみればとても良い経験でした。強い制約の下でしか得られないものもありますし、何より瞑想中に平静さを保つためには余計な情報は入れない方がいいわけです(実際、それだけ情報が制限されていてもなお、瞑想中はよくいろんなことが頭に浮かんできて平静さが乱されました。心とはおしゃべりなものです)。

 

瞑想してどうなるか 

10日間あるので、日々瞑想の内容はステップアップしていきます。そして僕自身、どんどん瞑想ができるようになっていきました。「うまくできるようになる」のを渇望するのは良くないのですが、自分がレベルアップしていく感覚は楽しいものでした。
そして、瞑想を続けていると感覚も鋭くなっていきます。五感が鋭くもなるのですが、特に自分の身体の状態に気づけるようになります。例えば僕は姿勢がとても悪いのですが、自分の身体を深く見つめることでどこがどう悪いのか分かりました(肩甲骨が前に出すぎている、など)。そろそろ整体にでも行こうかなと思いました。

 

10日間が終わると日常に帰るわけですが、日々の瞑想は日課にしようと思いました。また、瞑想だけじゃなくて日々自分の感覚に気付いているということが究極的には重要です。
例えば、怒りや不安の感情・思考がふと生じたとしても、自分の呼吸や身体を見つめることでそれらはゆっくりと確実におさまっていくでしょう。そういう感情や思考が生じる前に、普段から自分の感覚(歩いているときの足の裏の感覚や、食べているときの味覚などなど)を意識することでこれは鍛え続けられます。
これは思考や感情から逃避するのではなくて、それらが生じていても「評価をしない、ただ観察する」というものです。瞑想によって得られるものはいろいろありますが、僕としてはそれを続けていきたいところです。

 

元々はマインドフルネスという精神医療で注目されている治療法の元としてヴィパッサナー瞑想に行ったキッカケの一つでした。ヴィパッサナー瞑想を通してマインドフルネスへの理解も深まりましたし、今後更に深く掘り下げていきたいところです。


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