対メンヘラ会話法~「ちゃんと話聞いてますよ感」の出し方~

0.はじめに

僕は不安定になっている人(おそらくメンヘラ的な人)とSkype通話や対面で会話するのが好きです。特に、会話によって相手の不安定さが解消されたと感じるとたまらなく気持ち良いです。脳内物質ドバドバです。僕はメサイアコンプレックス(救世主コンプレックス。他人を救うことによって、自分が救われたいみたいな人)なので、そういうのが大好きなんですね。

まあそういう快楽目的でもいいんですが、不安な人の不安が解消されるのは社会的に良いことです。たぶん。で、僕の周りに不安定になりがちな人(だいたいメンヘラ的な人)がどんどん増えてきているので、僕だけの手では回らなくなってきました。そこで、僕みたいなタイプの人がもっといっぱい増えて欲しいなぁと思い、僕のやってるコミュニケーションを公開しようと思った次第です。

みなさんもこのコミュニケーション技法を使って、相手は不安を解消、自分は気持ち良くなって、WIN-WINを目指しましょう(ムチャクチャだ)。

 

※メンヘラをバカにする記事ではありません。僕はメンヘラ的な人もそうでない人も一人の人間として尊重します。この記事を読む人にもそうあってほしいです。

あとこの記事は素人がカウンセリングをするのを勧める記事でもありません。精神に不調を感じた方は、ちゃんと心療内科なり精神科なりにに行くのを勧めます。

 

1.目標

目標はズバリ、「相手をスッキリさせること」です。基本的にはこちらからは何も言いませんし、間違っても相手を自分の思い通りに支配してはいけません。つまり、アドバイスなどは基本しません。しかし、自分の意見を述べるぐらいは場合によってはアリなので、そのあたりは次に述べます。「何も言わないで会話が成り立つのか!?」と思う人もいるかもしれません。しかし、「相手をスッキリさせること」が目標なので、相手が喋りたいことを喋り終えたらそれで実はミッションクリアです。だから聞いてるだけでいいんです。

「聞いてるだけでいい?、それだったら壁にでも話しとけよ」と言う人もいるかもしれません。案外そうでもありません。人は誰かに話を聞いてもらいたい生き物です。壁に話すのと誰かに話すのでは「スッキリ度」が雲泥の差でしょう。例えば、ツイッターで構ってちゃんツイートや病んだツイートを繰り返している人も大体、話を聞いてほしいけど特定の相手がいないという人でしょう。

ということで話を聞くことが大事です。つまりはカウンセリング的なコミュニケーションが目指すところであり、カウンセリング用語で言うところの「受容と傾聴」ってやつをするわけですね。

 

2.具体的な技法

ここからは具体的な技法に入ります。「やっちゃいけないこと」は3で書くとして、ここではぜひやるべきことを書きます。ちなみに一対一の会話が前提です(念のため)。

 

2.0.思ってもいないことは言わない、思ったことだけを言う

最初に心構えとしてなんですけど、思ってもいないことは言わない、ということは基本的には大事です。お世辞とかはヘタな人はバレちゃいますからね。自然な嘘をつきとおせるという人ならいいかもしれませんけど、あんまりそういう人はいませんから。他のところで本音を言っちゃって、なぜか本人に伝わるみたいなこともよくあることです。長期的に見ると嘘をつくのは得策ではありません。

しかし、思ったこと全部言っていいかと言ったらそれは違います。誰だって悪口は言われたくありません。地雷を踏まれたくはありません。そういうのを避けるのはマナーでしょう。

 

2.1.質問の前の信頼形成

自分から勝手に自分の話を(しばしばマシンガントークで)してくれる不安定な人もいますが、半分ぐらいの人は自分からは話してくれないです。相手から言葉を引き出すためにはうまいこと質問しなきゃいけません。しかし、話題の切り出し、これが一番難しいんですよね。オーソドックスなコミュニケーションだと、誰にでも通じる話題から、徐々にお互いが知っている話題(共通の知人や共通の趣味など)へと入っていくのが良いと思います。

それでもまあいいんですが、今回は対メンヘラなので必殺技だけ教えましょう。それは「○○さん(相手)に興味があるんですけど」と直接言うことです。しかし、心構えでも言ったように、ちゃんと本当に興味があるときだけに言いましょう。嘘くさくなってはいけません。この後に「いろいろ質問していいですか?」と続いてもいいかもしれません。人はだいたい他人に興味持たれたいものなんで言っておいて損はないです。ただ問題はその興味が「下心」だと思われないようにすべきですね。下心だと思われないためには(キモいと思われないためには)スッと言えると理想です。

相手がインターネット上でアカウントを持っている人とか、共通の知人がいる人だったら事前に情報が仕入れられますので、そこから興味を持つことはできますね。そのあたりの情報を言った後に「~~に聞いてて、○○さんに興味あるんですよね」みたいなこと感じですね。

 

2.2.質問&自己開示の返報性

さて、質問に入るわけですが、順番さえ変でなければ割とすぐに踏み込んで大丈夫です。ただ、一番最初が難しいんですよね。僕も趣味を聞いたり、普段何してるか聞いたり、といろいろするんですが、どうも具体的な答えが返ってこないので自分との共通点や自分の知ってる話が見いだせず、話が弾みません。「共通の知人」なんかは話題には便利ですが、それもあまりいないとしましょう。

最初のとっかかり(相手が何を好きかとか)が分からなくて漠然とした質問をしたら、相手も漠然とした答えしか返してこないという問題。相手が漠然とした答えしか返せないのには理由がいくつかあります。一つは何を返せばいいか分からないというパターン。二つ目に話したいことはあるけど、その話題を話していいのか迷っているパターン。三つ目にあまり自分の情報を出したくないパターン。他にもいろいろあるでしょうが、とりあえずこの三つだったら次の解決策が万能です。

それは、「自己開示の返報性」を使うことです。「自己開示の返報性」とは、簡単に言ったら、AさんとBさんとが会話してて、Aさんが自分の話をしたら、Bさんも自分の話をしたくなる現象のことです。そこで、相手が答えに窮していたら、すかさず、「例えば僕だったら、普段家ではインターネットしてますね。ツイッター見てます。あと漫画読んだりとか、本読んだりとか」という感じで僕なら返します。いや別にこれそんなに良い返しだとも思わないんですけど、大事なのは「自己開示」をしていることです。こうすることによって、相手の答え方のモデルを示すことができます。相手はこっちと同じような返し方をしてくるでしょう。また、こっちが自分の話をすれば、安心して相手も自分の話をしてくれるという話です。

また、うまく掘り下げましょう。例えば、僕のこの発言を見ても、漫画や本で何を読むかとか、ツイッターどんな使い方してるかとか(ちょっと変な質問だ)、ツイッター以外だったらインターネットで何するかとかいろいろ聞けるはずです。相手の言ったことを手掛かりに掘り下げていってみましょう。質問をするときは5W1Hが基本ですが、特にホワット(何)とホワイ(どうして)が便利ですね。

ある程度関係が深くなったら家族のことや過去のことを聞いても大丈夫です。相手がメンヘラ的な人ならば深い話を持っていることが多いです。ただ、そういう深いところに踏み込んで質問するときは相手に気遣いましょう。「答えたくなかったら答えなくても大丈夫なんですけど」と前置きするなど。まあだいたい答えてくれるはずです。答えてくれなかったらまだ信頼度が足りないんでしょう。

 

2.3.相槌の打ち方

まったく相槌打たないよりかは相槌打った方がいいんですけど、やりすぎるとわざとらしいです。対面ならば表情だけで相槌を打てるので「うんうん」みたいな音声は少なめでいいです。電話とかならちょっと多めでいいと思いますが。大事なのは相手の喋っている途中で自分の意見を挟まないことです。何か思ったことがあっても、言わずに最後まで聞きましょう。たまにめっちゃ長話する上に話が飛びまくる人がいて、結局何の話をしていたのか分からなくなる人とかもいるんで、あまりに長い人に対してはメモ取りながら聞いてもいいと思います(マジで)。しかし、どれだけ話が長くても途中で口を挟まないで根気良く聞く。これが大事です。

細かい相槌の打ち方で言えば、「うん」だけじゃなくて「あー」とか「そうだよね」とか「えー!(驚き)」とかいろいろ使い分けると聞いてる感が出ます。同じ話が出たら「言ってたね」みたいな相槌もいいでしょう(その話もう聞いたよ!みたいなのは言わなくていい)。共感できるときは「わかる」もいいですね。あんまり「わかる」を使いすぎるとお前本当に分かってんのかよってなるので、諸刃の剣ですが、共感力は大事です。共感していることをアピールするために、話が途切れた後に「~~って話すごい共感できます。僕もですね……」と共感エピソードを出すといいでしょう。

 

オウム返しテクニック

ただ一つだけ途中で言葉を挟んでもいいテクニックがあります。それが言葉の意味を聞くときです。話を聞いていて分からない言葉が出てきたら「○○?」と疑問形で言ってみて、意味を説明してもらいましょう。あるいは、声の聞き取りにくい人もいますので、聞こえなかったら、聞こえなかったと言って聞き返しましょう。これによって意味を説明してもらえる、もう一度言ってもらえるということは重要なのですが、それと同時に「ああ、この人はちゃんと聞いてくれてるんだな」という安心感を相手に与えます。これが重要です。たとえ意味がだいたい分かっていても、分かりにくいところがあったら「○○?」って感じでちょっと挟むのはアリかもしれません。それは意味を確認するためというより、「あなたの話を聞いてますよ感」を出すための戦略です。

 

2.4.身体動作

アイコンタクト

そして、聞いてるときの身体動作ですが、まずアイコンタクトについて。目を合わせすぎると人は緊張します。一方で目をそらしすぎる人のことは信用できません。聞いているときは目を合わせるぐらいでいいのですが、相手の喋りが途切れたときに適度に目をそらして考える動作をするなどして、喋っている相手を休ませてあげましょう。話が途切れているのにアイコンタクトで次を促すと、相手も緊張してしまいます。

 

ミラーリング

相手と同じ身体動作をすると相手は安心すると言われています。しかし、あまりやりすぎてもわざとらしいので、自然な範囲でやるといいと思います。自然な範囲、と書くと難しいのですが、例えば喋っているときにじっとしていられない、変な動きをする人とかたまにいますよね。そういう人だったら聞きながら、ちょっと試しに動きを真似てみる、ぐらいでいいのです。バカにしない程度に。ミラーリングはそこまで使いにくくて効果も実感しにくいので、まあオマケ程度でいいでしょう。

 

2.5.相手の話が途切れた後

やはりオウム返し

相槌を打ちながら聞いていて、相手の話が途切れたときにどうするか。まず、やるべきことはやはりオウム返しです。相手の言っていた言葉をそのまま繰り返します。「○○××△△なんです」と言われたら、「○○××△△なんですねぇ」と返すわけです。ただ、やりすぎると気持ち悪いので、ちょっとだけでいいです。

 

要約

また、オウム返しだけだとバリエーションが貧困なのでもう一つ。それが「要約」です。相手の話が長かったときなどに特に有効なのですが、相手の話を最初から最後まで過不足なく要約して「○○で××で△△なわけですね。それで、○○と△△がつながるわけですね」みたいな感じ。自分の勝手な解釈は入れてはいけませんが、ちゃんと要約すれば高評価です。「話ちゃんと聞いてますよ感」が一気に出せますし、話にまとまりがない人だったら、話が整理されてありがたく感じるはずです。というわけで、勝手な解釈を入れずに話全体を過不足なく要約するという、高校の現代文とかで使いそうな能力がここで役に立つわけですね。

 

2分間沈黙

そうして、オウム返しなり要約なりをした後に「どう思います!?」みたいに意見を聞かれたら意見を言ってもいいわけですが、あくまでこちら側から相手の話を引き出すことが大事です。そういう意味では相手が話すまで待つ、というのも大事になるときがあります。人は沈黙にはあまり耐えられないもので(電話なんかだと特に)、意図的に黙って待っていれば、相手から話し始めてくれることも多いです。その待つ時間ですが、シチュエーションにもよりますが対面なら2分までなら待っていいという目安があります。2分というと相当長いです。正直2分も待たなくていいと思うんですけど、まあそれぐらいの気持ちでじっくり待ちましょう、ということです。

 

話題変え質問

2分間沈黙も何回もやるとさすがに相手が疲れるでしょうから、こっちが何かしら喋った後に、別の違う話題の質問を振ってみてもいいでしょう。「話変わるんですけど、」とか「全然話違うんですけど、」とか言っておけばそこまで不自然でもありません。そうして相手が話し始めたらまた2.3.に戻ります。答えにくそうだったら自己開示をしてみます。自己開示はあくまで相手の答えを引き出すためにあると考えればいいでしょう。

 

共感エピソード

必ずしも自分の話をしてはいけないわけではありません。相手の話を受けて、共感したということを示すために自分の似たような体験を開示するという戦略があります。これをすると「この人なら分かってくれる」感が出ます。自分の体験じゃなくて他人の体験とかを出してきて「知り合いにもいたなあ」みたいな話をしてもOKです。

 

3.やってはいけないこと

あくまで対メンヘラですが、やってはいけないことを書いていきます。

 

3.1.高圧的な態度

これは相手が誰でもあんまやるべきではないと思いますが、対メンヘラだと特にそうです。恐がらせてはいけません。声のトーンとか言葉のスピードとか落としていきましょう。

 

3.2.下心を見せる

これは主に自分が男性、相手が女性を想定してのときの話です。下ネタOKな人も多いっちゃあ多いのですが、その性欲を相手に直接向けてはいけません。メンヘラ的な人はそういうのにうんざりしているパターンが多いものです。下心は実際にはあっても隠しましょう。

 

3.3.否定する

相手がやることをおかしいと感じても即座に否定するのはよくありません。たとえばリストカットをする人がいたとして「リストカットをするな」と言うと、信頼を失うことが多いです。肯定も否定もせず、相手の気持ちに寄り添うことが大事でしょう。具体的には、基本的に何もしなくていいわけです。場合によっては微妙なところもあるので、どうしても否定すべきだと思ったら、せめて「イエスバット」を使いましょう。相手の言うことをとりあえず「そうだね」と受け入れた上で「ただ、」とやんわり否定しましょう。

あと、メンヘラ的な人に多いのが身体醜形障害なんですが、具体的な返しをしない方がいいです。例えば客観的に見て太っていないのに自分が太っていると思い込んでしまっている人には、「ちょっと太ってるぐらいが健康的だよ」などと具体的な返しをしない方がいいです。悪く解釈されるかもしれないので。「そうかなあ」ぐらいの曖昧な返しがいいでしょう。

 

3.4.支配しようとする

メンヘラ的な人は依存的な人が多いわけですが、自分に依存させて楽しむみたいなことはしてはいけません。また、最初に書いたメサイアコンプレックスの人に多いのが「自分の思い通りにならないと逆ギレする」というやつです。逆ギレするぐらいなら最初からメンヘラ的な人と関わらないでおきましょう。相手は相手、自分は自分なわけで、相手を自分の力で変えようとすることがそもそもおこがましいのです。あくまで目標は「相手をスッキリさせること」です。

 

4.その他テクニック

対メンヘラじゃなくても通じると思うんですが、ホリィ・センが実践してるのを二つ。

 

4.1.ほめ方

ほめるって対人関係において全般的に重要ですね。ほめられた相手は大体悪い気しないし、こっちもコストは払わないんで褒めるのってすごくコスパがいいです。効用上がります。最大多数の最大幸福です。で、ほめ方なんですけど、お世辞はバレたら長期的に見て良くないです。本当に思っていることだけを言えば大丈夫です。その代わり良いと思ったことは恥ずかしがらずにできるだけ言うように努力することが大事です。できるようになってくると結構便利です。

また、具体的にほめるのって大事です。「○○さんはこういうところがこうだから良い」みたいなこと言うと人は嬉しいものです。ただ、あまり社会の価値基準と合ってないところをほめてもバカにしてると取られる可能性があるので、そのあたり客観的な良さとのすり合わせが必要ですが。「かわいい」と言われ慣れてる人に「かわいい」と言ってもあまり効果がないですが、あまり言われ慣れていないであろう長所をうまく見出してほめると効果バツグンです。特にメンヘラ的な人はほめられ慣れてない人も多いんで、困惑するでしょうが、うまくやると一気に信頼を勝ち得るでしょう。

 

4.2.共犯関係

これも自己開示系なんですが、自分の話をする際に社会に適応できない話などをするといいでしょう。要するに共感性を示すことが大事です。メンヘラ的な人は傷ついた経験を持つ人が多いですので、こちらも人の痛みを分かる人間だということをアピールしましょう。ということで傷ついたエピソードを出せばいいわけですね。なお、ホリィ・センは小学生のときに情緒不安定だった話をよく出します。対メンヘラの共通体験はおそらくそこにあると思っているので。対コミュニケーション苦手な人だったら、コミュニケーションがどう苦手だったかのエピソードを出すわけで、誰を相手にするにせよ共感はやっぱり大事ですね。

こうして、自分は決して潔白な存在ではないということを示して、一種の共犯関係になることは一つの戦略です。

 

5.おわりに

ここに載せたテクニックは別に対メンヘラじゃなくても使っちゃってます。もう身体化しちゃってますね。別にこれをそのままやれとは言いませんけど、何かの参考になれば幸いです。僕はだいたいこういう感じで不安定な人(やはりメンヘラ的な人)とSkype通話して傾聴するのが日々の楽しみですし、僕以外にも傾聴が日々の楽しみになる人が増えればいいなあ、と。